エディトリアルデザイナーも知っておきたいWeb FontsとOTF形式・SFD形式について
印刷物をデザインする際には、基礎的なフォントの知識は必要であるが、今回はウェブフォント、つまりインターネット上で利用されるフォントの種類とOTF形式・SFD形式についてまとめてみる。
■Web font
Webフォントとは、わかりやすく言うとインターネット上のサーバー上などにフォントファイルが置かれており、ブラウザで表示させるときにCSS記述等を利用して、表示させたいフォントを読み込み表示させるフォントのこと。
印刷物などは同一のフォントで共通のヴィジュアルで表示されるが、インターネットやWebコンテンツは、閲覧者の環境によって、表示され方や大きさ、文字間やフォントの種類まで、異なることがある。
その点、Webフォントを利用すれば、その記述に対応しているブラウザ等で、建前上はほ同一のフォントの形状が表示される。ただし、CSS3の記述に対応しているブラウザが必要であり、日本語表記には適していないので主に英字のみが使用されやすい、サーバーに 負担がかかりやすいので、読み込みが遅くなりやすいなどの特徴があるので注意が必要だ。
■OTF形式フォント
いわずと知れたOpenTypeFontで、DTPの現場で主に使用されるタイプのフォントだ。
Adobe社とMicrosoft社とにより共同で開発された。Adobe Systems社「PostScript Type 1」(Type1フォント)とMicrosoft社・Apple社の「TrueType」が統合された、フォントファイル形式の一種。
OpenType が登場する前は、Adobe社PostScript Type1とMicrosoft社のTrueTypeは2種類の代表的なフォントで、互換性がないものであったが、共通ヘッダ情報の付加により、互換性を 持たせており、拡張子「.otf」はOpenTypeフォント、拡張子「.ttf」「.ttc」はPostScript Type1を土台とする、TrueTypeをもとに構成されている。
異なるプラットフォーム間での異なるフォントの互換性をもっており、ユーザー環境におけるOS・機種などのプラットフォームにの違い影響されない出力ができるフォント。文字コードにUnicodeを採用されている。
■SFD形式フォント
オープンソースのフォント制作ソフトに、FontForge(フォントフォージ)があり、このソフトの拡張子.sfdのフォントファイル。
ASCII表現が採用されているため、サイズが大きいため開発現場などで利用されることが多いフォント保存形式。)。
拡張子.sfdは、SFD (Spline Font Database File Format)の略。
FontForgeはLinux、UNIX、Mac OS X、Windows等で動作するオープンソースのフォント作成用のプログラムソフト。
PDFデザインデータがIllustratorで開けない
印刷データでもPDF化された印刷用デザインデータを受け取ることも増えてきましたが、PDFファイル自体に編集できないようにパスワードロックされている場合、Illustratorで編集できないときがあります。Illustratorなどで開くとき、「ドキュメントはパスワードで保護されています」と表示される。
PDFファイルのセキュリティの設定で編集や変更ができないようにパスワード設定をして保存されている場合、パスワードを解除しなければなりませんが、時間が経過していて出処がわかならなかったり、制作会社や代理店経由であったり、連絡先がわからないフリーランス制作であったりなど、パスワード入手が困難な場合があります。
いくつか方法がありますが、パスワードを解除してデータをダウンロードする、PDFUnlockを利用してみます。
PDFUnlockとは、Webサイト上でPDFファイルのパスワード解除が可能なWebサービスです。
■PDFUnlock
http://www.pdfunlock.com/
PDFUnlockはPDFファイル権限パスワード解除が最大10MBまでのファイルで可能で、変更や編集、印刷やテキストコピーの許可を与えることが可能
開くパスワード設定についてはもとのパスワードを知っている限り解除して再保存可能。開くためのパスワード解除はあまり用途がないでしょうが。
PDFUnlock基本的には編集権限パスワードを解除して新たなPDFファイルをダウンロードできます。
PDFUnlockでのPDF権限パスワード解除の方法は、ページにアクセスして、「参照」ボタンから解除したいPDFファイルを選択して「Unlock!」ボタンをクリック。
権限パスワードが解除されると、自動的にPDFファイルがダウンロード保存ダイアログがでてきますのでダウンロード保存します。
ただし無料の海外のWebサービスなので情報の取り扱いには注意する必要があるようだ。
印刷編集PNGファイルがFireworksで開けない
印刷用の編集データをメール便のPNGファイル受け取りましたが、拡張子PNGファイルをFireworksにドラッグすると「ファイルが開けません。ファイルタイプが不明です。」とダイアログが表示された。
Fireworksのバージョン差異ではないのは、Fireworks最新版を使用しているのであとは、ファイルの破損などが予想されますがそもそも別の環境では作業していたわけなのでそれも考えずらいわけです。
試しに他のアプリケーションをで開いてみます。まずIllustratorで開くと、パスデータが配置された印刷用データが開けました。
拡張子が実データと異なり、ファイル判別を試してみると、PDFファイルであることがわかりました。
これは本来PDFファイルということがわかりました。Illustratorでパスデータ形式で開けた理由もこれで納得できました。
結局なぜ、PNG形式になっていたのかは不明でしたがが、なんらか過程でPDF印刷用データが、拡張子PNGに変更されて送られていたようだ。
印刷会社の胆管がん発症の確率
チラシの印刷やデザインには直接関係しないが、先日の報道で大阪市の印刷会社の元従業員が高い確率で胆管がんを発症し、そのうち男性4人が死亡した問題があり、東京都内や宮城県内の印刷会社でも報告されていたことが判明した。
発病のもとになる原因については、原因物質など特定にはいたっていないようだが、印刷会社で使用される洗浄剤に含まれる有機溶剤が原因であると指摘する学者もいる。
厚生労働省は同様の発病と死亡率が高い可能性があるとして、全国の印刷会社を対象に調査する方針をすることであると判明。
発がん性が指摘される毒性をもつ1,2-ジクロロプロパンとジクロロメタンを多量に含む洗浄剤を使用するさいに、防毒マスク着用などをおこなっていなかったと大阪市の印刷会社の元従業員等は証言しているようだ。
大阪市の印刷会社は、当時の校正印刷を担当する部署のうち男性33人中5人の胆管がんの発症が確認され、4人が無くなっていて、胆管がんの日本人男性平均の600倍近くになる。
印刷会社が危険であると早急には結論付けられないが、ある特定の薬品や洗浄剤などを利用する際は十分に気をつける必要があるようだ。
パッケージ型紙ダウロードサービス[iStockPack]
iStockPackとは、いろいろな印刷用パッケージの型紙がダウンロード可能なサービス。
ギフトラッピングなどに使用される型紙のテンプレートがあり、会員登録などなしに利用可能だ。
[iStockPack]
印刷物でお菓子のラッピングや印象に残るパッケージの見本や手本、サンプルやアイデアの発想にも役にたつかもしれません。